Zoomでライブ配信して大丈夫!?安全についての考察【仙台の配信代行へ寄せられた疑問】


オンラインで会議やセミナーなどを行う上でZoomはとても便利なツールですが、その安全面について特に企業様から度々質問をいただくことがあります。今回はZoomのセキュリティ面、そして中国との関係、何よりZoomを安全に使うにはどうしたら良いかをお話ししていきます。

本記事の内容

  • Zoomのセキュリティは本当に大丈夫なの?
  • 黒いウワサ…Zoomの中国との関係
  • それでも便利なZoomを安全に使う方法

Zoomを利用して企業様や教育機関向けのライブ配信を代行している事業者が、実際にお客様から寄せれられた、お悩みをもとに解説していきます。

Zoomのセキュリティは本当に大丈夫なの?

新型コロナウィルス(Covid-19)の世界的な蔓延を背景に、人と人との接触を少なくするべく、ビジネスのリモートワーク化が急速に進んで行きました。ビデオ会議システムのZoomもこれに同調するかのように急速にユーザー数を増やし、ビジネスの現場だけでなく、“Zoom飲み会”など私たちのライフスタイルの中にさえ新しい価値を生み出す大きな存在となりました。

しかし、爆発的ユーザーが伸びてしまった結果、本来予想していなかった“ズーム爆撃”に代表される荒らし行為や情報漏洩などシステムの脆弱性を狙われてしまう結果になりました。2019年12月の時点で1000万人程度のユーザしかいなかったところから、2020年の4月には約30倍の3億人に達したことを紐解いても、明らかにサービスの成長速度とユーザー数増加が釣り合っていないことがわかります。

これを受けて、Zoomは謝罪をするとともに、新機能の追加を止めて問題の改善に注力する方向に舵を取りました。そうして、ネットワーク通信に暗号化方式の『AES 256-bit GCM』を採用するなど数々のセキュリティ機能を強化した“Zoom 5.0″が2020年5月30日より標準化されました。

今現在は、問題になった2020年4月時点よりもセキュリティ面をとって言えば、大きく改善されたと言って良いでしょう。ただ実際には、アカウントの情報漏洩に関して言えば、Zoomから直接ではなく他の連携しているサービスからの二次被害であり、荒らし行為も、ユーザーがZoomに慣れていないことによるヒューマンエラーが招いた要因もあります。こういった背景を理解すると、ユーザーや他のサービスなどZoomを取り巻く環境もセキュリティーには大きく影響することが分かるはずです。結局Zoom以外のビデオ会議ツールを使用してもこういったリスクはゼロになることはありません。

ですので、結果としてZoomを安全に使うためにはユーザーがシステムに対する知見を深め、セキュリティに対する意識を上げてくことが何よりも大事になってきます。しっかりとユーザーがZoomを使いこなすことで、セキュリティ面を大きく改善することができるのです。

ここまではシステム面の不安に対する解説をしてきましたが、次はZoomをの背景に潜むリスクについて深掘りしていきます。

Zoomの中国との関係

Zoomの創業者であるエリック・ユアンさんは中国の出身です。大学卒業後にアメリカに行き、同じビデオ会議システムを提供する”WebEx”へ入り、そこから独立をしてZoomを立ち上げました。現在は米国籍を取得しています。

中国と聞くと、やはり”Tiktok”など中国製アプリによる情報漏洩の危険性などが指摘され、国単位で使用の禁止などIT業界にとって大きな流れになっているのは記憶に新しいところです。

Zoom自体はアメリカに拠点を置く会社ですが、サーバーが中国にもあり、不自然に中国のサーバーを経由して通信を行なっていた問題や、中国のエンジニアによる開発を主にしていることから、中国企業と同じリスクは消し去れません。実際に2020年6月には”天安門事件”についての追悼イベントを開催した活動家のアカウントを中国の圧力により停止する事件があり、中国との距離の近さを感じるものとなりました。これらを受けてアメリカでもZoomに対し調査を要求する動きが出てきています。

この動きを受けて心配になるのは、Zoom自体が世界から徐々に排除されてしまうのではないかとゆう懸念です??私個人の見解にはなりますが、答えはノーです。もちろん今後のZoomの動き方によりますが、現段階ではネガティブな部分を改善する動きを見せているからです。

一つは2020年8月3日に中国市場への新製品やアップグレード製品の直接販売を停止を決定した点です。これは米国政府の動き等を受けての中国からの撤退準備ではないかと言われています。

次に先程の中国からの圧力によりアカウント停止を認めたことです。Zoomだけに限らず、様々な企業が中国の圧力を受けていると言われています。そうした中でも、疑惑について名言されることはまれで、ユーザーへの関係改善の意思表示に思えます。

最後にZoomの株価が好調なことです。2019年ナスダックに初値65ドルで公開された株が、セキュリティ問題などを受けての下落があったものの、2020年9月現在400ドルあたりを推移しており、高騰し続けています。ここからは、ネガティブな要素を含みながらも市場の期待感もあることが推察されます。

以上のことから私見としては、何か致命的な問題が起きない限りZoomは生き残るために真摯にユーザーへの信頼回復に努めていくことが予想できるので、これからも世界に使われていくツールになると感じています。

リスクは全くゼロにはなりませんが、技術的特許や国の機密情報など漏洩してしまうと致命的になる情報のやり取りを行わないなど、使い所を吟味することで安心して使えると思いますので、利用する際の判断材料にしていただければと思います。

それでも便利なZoomを安全に使う方法

ここまでZoomについて考察を交えながら話を進めてきました。ネガティブな要素を完全に拭い去ることはできませんが、それは他のツールも同じです。100%の安全なツールは存在しません。

それよりも便利で、高機能で、可能性に満ち溢れたZoomを利用して発展していく未来を描くほうがとてもワクワクしませんか?きっと今までよりも新しい提案や視野が大きく広がるはずです。

また、様々なオンライン会議ツールがある中でZoomを完全に置き換えることができるモノは今のところ無いと感じています。使いやすい機能や利便性、何よりも安定性は何者にも代え難いアドバンテージになっています。

ここからは、Zoomの表と裏の現状をしっかり理解したうえで、安全に運用する方法を解説していきます。

1.作成したミーティングにパスワードを設定する。

Zoomを安全に利用する方法としてはまず、設定をしたミーティングにパスワードをかけることです。こちらは、”Zoom5.0″から標準でパスワードをかけてくれる仕様になっていますが、ミーティングを新規で制作するときは必ずパスワード設定にチェックが入っているかを確認をしてみてください。ZoomのミーティングIDは単純な数字の羅列になっているので、適当に打ち込めばどこかのコミニティーに入ることができてしまいます。パスワードを設定することで不用意な侵入を防ぎましょう。

2.ミーティングの作成時に”待機室を有効化”にする。

こちらも、先ほどのパスワード設定と同様、新しくミーティングを設定する際に必ずチェックしてください。”待機室を有効化”することで、招待していない人が勝手に入ってくるトラブルを防ぐことができます。ユーザーはホストであるあなたへ入室の許可を求めてきますので、招待している人のみの入室を許可することができます。少し手間ではありますが”荒らし”や”盗み聞き”の対策になりますので必ず設定を行う様にしてください。

3.特許や機密の情報に関するやり取りをしない。

こちらはZoomのチャイナリスクを懸念される方向けのお話になります。先ほどもお話ししましたがZoomの開発は、私たちへ安価にサービスを提供するために中国のエンジニアによって主に行われています。そのため、様々な改善を今後も行なっていくかと思いますが、お国柄としてどうしても情報漏洩のリスクは懸念として付き纏います。ですので、Zoomを利用される際はそこでの内容に盗まれてしまうと困る特許や機密を含まないほうが今のところ望ましいでしょう。あくまで社内のコミニケーションやイベントなどを主軸として活用していくと、Zoomの実力を遺憾なく発揮することができます。

終わりに

今回は、Zoomを取り巻く背景や流れを知っていただくことで、安全に使うためのポイントが見えてきたかと思います。まずは無料で始めることができるので色々と試してみながら各々の環境にあった設定やセキュリティ対策を打ち出すと良いのではないでしょうか?

もしも、より深いセキュリティ面や環境面の疑問などございましたら私どもsLinkへお問い合わせください。仙台のエリアを中心にZoomを利用したオンライン配信の環境構築のお手伝いをさせていただいております。規模の大きい会議や、カメラを駆使したより高度な配信にも対応しております。お気軽にご相談ください。